トランクルーム契約時の留意点とトラブル回避
トランクルームの利用者は、年々増えているそうです。
ニーズ拡大にともない、トランクルームの運営会社も新しいお客さまを取り込むための取り組みに余念がありません。
これまで以上にトランクルームの清潔感や設備を充実させたり、女性専用のトランクルームを打ち出したり、あるいは女性客を意識した便利グッズを用意したりしています。
そこで今回は、これからトランクルームの利用を考えているお客さまが気になる契約について取り上げてみます。
トランクルームの契約をわかりやすくたとえれば、マンションやアパートを借りるときと同じです。
ただし、マンションやアパートの場合は不動産屋さんが仲介しますが、トランクルームの場合はほとんどが物件を運営している会社と直接契約することになります。
webサイトに各社のトランクルームを紹介しているポータルサイトは、いわゆる不動産屋さんみたいな仲介者に当たります。ですが、基本的には運営会社との契約ということになります。
ここでトランクルームの利用が初めてというお客さまが気にされるのが、連帯保証人が必要なのではないかということです。マンションやアパートなどの賃貸物件を借りるのと同じだからです。実際に連帯保証人が必要という運営会社もあります。
賃貸物件を借りるとき、なぜ連帯保証人が必要なのかとうと、借主が家賃を滞納したり、物件を破損しても修繕費用を払わなかったりしたときなどのリスクを見込み、それを担保するために立てるものです。
しかし、トランクルームの場合、連帯保証人が不要という運営会社がほとんどです。
これには理由があります。
トランクルームの場合、ほとんどの運営会社が連帯保証人なしにしているのは、契約時にお客さまから「保証料」をいただくからです。
保証料という聞き慣れない単語に不安をおぼえるかもしれませんが、そうではありません。
保証料とは、保証会社に連帯保証人の代行をしてもらうための費用になります。つまり、借主が使用料を滞納したり、物件を破損しても修繕費用を払わなかったりしたとき、保証会社がその費用を肩代わりするというものです。
ただし、保証料は保険料とは違います。
保証会社は、借主の滞納や破損で発生した費用を立て替えますが、今度は保証会社が借主にその金額を請求することになるわけです。
保証料は運営会社のリスクヘッジにかかる費用ということになります。
お客さまにとっても、連帯保証人を探したり、だれかにお願いしたりするよりもずっと気楽なのではないでしょうか。しかも、保証料の相場は月額使用料の0.5〜1ヵ月分程度がほとんどです。
賃貸物件の敷金・礼金と同じようなものと考えれば、決して高い出費ではないはずです。
また、最近では敷金・礼金の負担を軽くしたマンションやアパートがあるように、トランクルームでも保証料をなしにしている運営会社もあります。
ただし、ここでの注意点が、お客さま負担の保証料はなくとも、運営会社サイドは保証会社と契約しているのがほとんどだということです。
つまり、借主が保証料を負担している、していないにかかわらず、保証会社がお客さまを審査するということです。
ですから、保証会社の審査に通らなければ、運営会社がお客さまとの契約締結を見送る可能性があり得ます。
わかりやすい一例になりますが、AさんがB社のトランクルームを契約しようとしたとします。しかしAさんは、以前にC社のトランクルームを借りてトラブルを起こしたことがあります。しかも、保証会社が費用を肩代わりにしたにもかかわらず、その後も保証会社からの請求を拒み続けていました。
これは端的な事例ですが、クレジットカードのいわゆるブラックリストと同じだと思いませんか。
契約とは社会規範を元にしたルールや規則に則った約束事です。
もし仮に、それを守れないお客さまの一方的な主張だけで契約を結ぶことはできないのは当然のことになります。
ですが、大多数のお客さまはそうした心配はないはずです。
保証料の有無は運営会社にも異なりますので一概にはいえませんが、トランクルームの契約時にはあり得る出費であることをおぼえておいてください。
また、この保証料があるからこそ、連帯保証人を探してお願いするといった気苦労もすることないこともご理解ください。
ところで、確信犯ともいえる契約者は別として、運営会社との間で思わぬトラブルが起こることもあり得ます。
その原因はいろいろと想定できますが、お客さま側がつい見落としがちなのが、契約書に明記されている禁止事項や解約時に関する項目かもしれません。
禁止事項に違反する事例として多いのが、トランクルームに収納してはいけない荷物を保管してしまうことです。
火器類をはじめとする燃料などの危険物は収納が禁止されている荷物になります。
生モノなどの食品も禁止されています。
カブトムシの幼虫を育てている生き物の飼育ケースも禁止の対象となります。
臭いやカビが発生して他のお客さまに迷惑をかける可能性のある荷物もそうです。
解約時のトラブルについては、契約期間終了後の原状回復の費用がどうなるのか。途中解約だと違約金がかかるのかどうなのか。
こうした金銭的なトラブルが起こる可能性があります。
運営会社との契約時には契約書を読み込むことが大事ですが、理解しきれないことがあるかもしれません。
後々のトラブルがないよう、どんなにささいな疑問でも運営会社に質問し、納得してから契約するようにしましょう。