引っ越しとトランクルーム①〜トランクルームのありがたさを知った引っ越し時の失敗談
進学や就職、転勤、結婚、家の建て替えやリフォームなどなど──。
人生の転機で多くの人たちが経験するのが「引っ越し」です。
新しい環境での新しい生活を迎えることになる引っ越しは、期待もあれば不安もあります。
ここでは期待の部分は置いておいて、不安の一つに数えられるのが荷物をどうするかです。
引っ越しに慣れている人であれば、テキパキと荷造りをして引っ越し業者さんに運んでもらう。
あるいは、多少のコストがかかっても、業者に荷物の梱包まで頼んで身一つでお引っ越しという方もいることでしょう。
ここで注意が必要なのが、新居に荷物がきちんと収まるがどうかです。
「そんなこと、いわれるまでもない」とのお叱りを受けるかもしれませんが、引っ越し時に荷物があふれて困ったという経験をお持ちの人は、意外と多いものです。
個人的なことですが、実は20年ほど前のこと、引っ越しの際に荷物で大失敗した経験があります。
結婚を機にワンルームから2LDKのマンションに引っ越したときのことでした。
部屋を何度も内覧し、部屋やリビング、キッチン、クローゼットや押し入れのサイズも入念に計り、家具や家電製品などを含めて荷物は余裕で収めることができるはずでした。
ところが、いざふたり分の荷物を運び入れたところ、リビングと部屋の一つにダンボールの山……。
いちおう、荷ほどきをはじめましたが、収納しきれるものではありませんでした。
絶望的な気持ちになりながらも、どうにか生活スペースは確保できましたが、しばらくの間、部屋やリビングの一角に荷ほどきできないダンボール箱が積み上げられることになりました。
そうなった原因はというと、ひと言でいえば「油断」でしょうか。
お互いに荷物を整理するにあたり、思い出の品や趣味の品々。お気に入りの服やCD、DVDに本やコミックなどを、「まあ、いいか」という軽い気持ちで持ち寄ってしまっていたのです。
そのうえ、新婚生活をはじめるにあたり、家具や家電製品をはじめとする日用品を買い揃えたにもかかわらず、いままで使っていた思い入れのある食器類などを持ち込んでしまっていました。
結論は、「少しずつ整理して捨てるしかないか」でした。
しかし、ここで耳寄りな情報を教えてくれたのが、マンションの管理人さんです。
なんでも、マンションの管理会社が近くにトランクルームを運営していて、住居者には割安で貸し出していることを教えてくれたのです。
大きなマンションでは、地下室などに収納スペースを設け、別途貸し出しているところもあるようですが、新居にはそうした設備はありませんでしたので、渡に船といったとことでした。
さっそく問い合わせてみると、屋内型のトランクルームでスペースは三畳ほど。都心部にあるにもかかわらず、月額料金は3,000円程度だったかと思います。
ただし、屋内型トランクルームといっても、現在のように空調管理が行き届いていたり、セキュリティ対策がしっかりしていたりするものではありません。
鍵は昔ながらの古めかしい南京錠で、仕切りも安っぽいものでした。
収納スペースもお世辞にもキレイとはいえないもので、むき出しのコンクリートにビニールとスノコを敷いて荷物を置かなければいけませんでした。
そうであっても、新居にあふれかえっていたダンボール箱を片づけることができてひと安心。
ようやく新生活のスタートなのだと思ったものです。
その後も何度か引っ越しを経験しましたが、そのたびに思うことは、どうしても余剰な荷物が出てしまうことです。
多くの人がそうかと思いますが、新居に引っ越す場合、いままで使っていたものは捨ててしまい、新しく買い換えて心機一転となるではないでしょうか。
家具や家電製品であれば、置き場所をあらかじめ決めておくため問題ありませんが、衣類やインドア・アウトドアを含めた趣味の品々、あるいは食器類などはちょっと油断すると置き場所に困ってしまうものです。
ファミリーであれば人数が多い分だけなおさらです。
ひとり暮らし、ふたり暮らしであっても往々にして起こりがちな引っ越し時の困ったことになり得ます。
そんなときの強い味方になってくれるのが、トランクルームの活用です。
かといって、引っ越しの前に契約しておいたほうがいいというわけではありません。
引っ越し先の最寄りにトランクルームがあるかどうか、それをたしかめておくだけでも十分かと思います。
トランクルームの運営会社によっては、インターネットで申し込むことができ、即日契約できるところも少なくありません。
いざ引っ越してみたら、荷物が収納しきれなかった……。
そんなときの、転ばぬ先の杖といったところです。
また、引っ越し前にあらかじめトランクルームを契約しておき、当面は使わない荷物を保管しておくという選択肢もあります。
喫緊に必要な荷物と不要なものを取捨選択しておくことで、引っ越し作業や荷ほどきの手間も軽くなるというものです。
ただし、その場合はいつくか注意すべき点があります。
長期間にわたり保管するのであればいいのですが、トランクルームの契約内容によっては割高になるケースがあるからです。
そのあたりは、次回のコラムでご紹介します。